エピソード8 愛されるということ

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「えっ、えっ?何でわかったの?私顔に出てた?」 訳がわからず聞き返すと 「梓じゃなくて、凛太郎センセーの態度見てたらわかるよー。あー、凛太郎センセー梓のことよく見てるなーって。あれは幼なじみを見てる視線じゃないなって………… 他の子たちは、梓と凛太郎センセーはただの幼なじみだって安心してるみたいだけど、梓の近くにいた私の目は誤魔化せないよー」 そう言って、嬉しそうに私の肩をぽんぽんと叩いた。 まだ、きょとんとしている私に 「梓、気付いてなかっただろうけど、毎朝、凛太郎センセー出勤してきたら一番に梓の担当の患者確認して、最初に回って梓が困らないように先に指示出してたんだよ。時々梓のこと見てたし、梓が振り返るとさっと視線そらして……また梓が違う方見たら視線で追って。 一見わからないようにしてたけど、梓の近くにいたら何度かそんなことあったしね」 思い出したのか、三咲が可笑しそうに笑いだした。 「絶対に凛太郎センセー、梓のこと好きだと思ってたんだよね!報われてよかったねー」 「そうだったの?」 凛太郎そんなことしてたんだ。 それに、確かに何度か見られてる気はしていた。 気のせいかなと思ってたけど、やっぱり間違いじゃなかったんだ。 「あのほっぺた叩いたの梓でしょ?」 にかっと笑いながら、私の左頬を指差した。 「…………あ、うん…………」 「まあ、何があったかは詮索しないけど、あれだって上手く誤魔化そうと思えば凛太郎センセーならやれたはずなんだよね。あっさり認めたってことは、絶対に本命!周りに隠す気なかったってことだよね」 そう言われれば、凛太郎ならさらっと受け流せただろう。
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