14 私と同級生は幼馴染の大学生のひもになりたいらしい

2/4
11人が本棚に入れています
本棚に追加
/83ページ
話をしているうちに彼の家に着いた。外壁が灰色に塗られた新しめな二階建てアパートの、一階の一室に彼は住んでいた。 「話つけてくるからちょっとその辺で待ってて」 3人も居ると思われるとちょっと交渉が難しいかもしれない。まずは私だけだと思わせて、後で残り2人も受け入れさせる。フット・イン・ザ・ドア・テクニックと言うやつだ。 インターホンを鳴らすと、すぐに彼の声と足音が聴こえ、程なくしてドアが開いた。玄関には柚が居たが、目線が虚空、私の頭の上をさまよっている。 「ねえっ!」 「?」 「こっち!」 「は?」 彼が目を擦る。幻覚だと思っているのかな。 さて・・・ 交渉の時間だ。私と友達のこれからを決める運命の時間だ。 話をしよう。 ――――――――――――――――――――――― 「戦犯こいつじゃねえか」 話を聞き終わった俺は雪を見た。 「素人が戯れに作った薬品を躊躇い無く飲むとかどういう神経だよ・・・」 「そうそう、大戦犯なのよ!」 心愛が同調する。 「止めなかったお前もお前だ」 「・・・ごめん」 「はあ・・・」 俺は嘆息した。以外どうリアクションすればいいのか分からなかったし。 「まあ、無事で良かったよ」 「無事・・・ではないかもですけど・・・」 「そうだけど、命があるだけで重畳だ」 最悪死んでるからな・・・     
/83ページ

最初のコメントを投稿しよう!