二人のぬくもり

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♀『確かに。トラックとか必要になっちゃうもんね。そうだ、”ぬくもり”と”暑苦しい”の違いって何かな?』 ♂「まーた変なこと言い出した」 ♀『変じゃないよー。どこまでが”ぬくもり”で、どこからが”暑苦しい”になるのかなって思っただけ』 ♂「うーん、相手が”嬉しい”なら”ぬくもり”で、”嫌だ”って思うようなら”暑苦しい”だな」 ♀『おお、なるほど。分かりやすいかも』 ♂「だろ?」 ♀『じゃあ、宿題とかしてる最中に、私がこうやって裕也(ゆうや)くんに話しかけるのって、”暑苦しい”?』 ♂「”ぬくもり”だ」 ♀『じゃあ、もっと近くに座って、裕也くんの耳引っぱったりしてみたい言ったら、”暑苦しい”?』 ♂「”ぬくもり”だ」 ♀『へへ、ありがと…』 ♂「でも、あんまそういう事すると、お前と…その……変な事したいって気分に、俺がなっちまうぞ。それは…”暑苦しい”だろ?」 裕也くんが両手をこたつに入れて、天板(てんばん)にあごを乗せながらそう言った。 ♀『”ぬくもり”だよ…』 私も同じ体勢になってそう言った。
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