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「かわいい って思うことに、特別な何かも くっついてる感じだよね。
ゾイなら、かわいい じゃなくて
カッコいい になるのかな? ミカエルのこと。
特別の カッコいい、って」
「もう... 」
今は、私のことは いいのに...
デザートローズの赤い縁から 自分の膝に眼を移した。悪魔の時の私の膝は、細身でラインが直線的。膝こぞうにも丸みがない。
ジェイドは、いつもみたいに笑ってる。
だけど、よく考えてみると
“話を聞く” ってことを、そんなにしたことがない気がする。
会話とは違って、相手の心が痛んでいる こういう時に。
天は、すべてに於いて 調和が取れてる。
そうそう大きく気持ちが動くことはなくて
誰かの こうした気持ちの話を聞いたことはないし
私がすることもなかった。
堕天した天使や 消滅した天使を悼むこととも違うし、癒やすこととも違う。
こういう時も 普段も
私より ジェイドの方が ずっと、聞くのが上手だし
話すのも上手。
上手 という言葉には、語弊があるのだけど。
使命で地上にも降りる 上級天使のことは分からないけど、こうしたことは、下級天使たちより 人間同士の方が長けているんじゃないかって気がする。
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