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次の授業、音楽が終わり、放課後。
僕とカナタは並びながら玄関に向かって歩いていた。
そして人が少なくなってきたタイミングで、突然彼は話をぶっこんできた。
「ところで委員長とは何があったの?」
「え?何がって…」
「ほら、理科の後…アレがどうとかまた触りたいとか触ってもいいとか…そこそこ大きな声で話してたじゃない?」
「な、何でもないよ何でも」
「そう、でも案外シンカくんって委員長と仲良かったんだね。委員長すごい楽しそうだったし、初めて見たよあんな委員長」
「ま、まあね……」
「とりあえず僕は聞かなかったことにしておくよ!」
「うん…ありがとう」
聞かれてしまったのがカナタで良かったと僕は心底思った、他の生徒だったら間違いなく熱愛報道か何かになっていただろう。
相手が委員長となれば学年中に広まってもおかしくないことである、そうなってしまったら僕の方が恥ずかしくて死にそうなのだ。
色々と察してくれているカナタはいつもと変わらぬ微笑みを浮かべると、話を切り替えて本日の予定を提案した。
「そんなことはさておき、今日は僕とバトルセンターにでも出掛けようか!」
「バトルセンター?」
「バトルセンターっていうのはね、エンバーディーバトル専用の公園みたいなものだよ。結構いろんなとこにあるけどシンカくん知らなかった?」
「大変お恥ずかしながら」
「まあ見た目は普通の建物だからね!じゃあ行ったら驚くと思うよ、何せ今回行くところは地域最大のセンターだからね」
「地域最大かぁ」
「ちなみに僕のお父さんの勤務先でもあるんだ」
「じゃあ行ってみようか」
「そうこなくっちゃ」
僕はカナタの提案に乗ってみるとバトルセンターなる施設へと足を運ぶ。
別に知らない誰かとエンバーディーバトルをしたいという気持ちは無かったが、単純に施設に興味があったのと、友達と放課後に何処かに行くということをやってみたかったのだ。
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