始まりは唐突に訪れてこそ物語性がある

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そんな世界で遥か昔の、神級魔法と呼ばれる魔法を使える魔法士は王族と同じ位に就く事が出来た。 そしてそれを凌駕する威力を持つ、今の時代で使える人が数人と言われる程希少なモノを使える者を術士と呼んだ。 昔の神級魔法により近く、より精密に似ている術を使える者は姿を隠すか、王宮で働いて高給な給料を頂いている。 そして隠れるのも、働くのもイヤな俺は今現在無職である。 そして今朝、やっとの仕事で受けた依頼は昔の弟子による俺をはめるための罠だった。 それを知っている今は弟子を振り切って逃げたい気持ちが満々にあるがそうもいかない。 目の前には俺が、俺等が住んでる領土の管理者と言っても過言ではない王族がいるのだ。 いや王族と言っても只の王族なら俺みたいな野蛮人は振り切って逃げたかもしれないが、目の前に居る王族は王位継承権第1位の王子様なのだ。 そして俺の弟子はその王子様に使える側近を鍛える最高司令官、魔術指導師なのである。 とても優秀な一番弟子で唯一俺の居場所を探し当てる事が出来る奴だ。 優秀過ぎて今はとても怖い存在なんだけどな。
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