目隠しの愛ー2

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『結衣ちゃんの責任も軽くなるんじゃない? 結婚前にこうなっていればよかったのにね。でも、タイミングが遅すぎても義務とか義理なんてない方がいいわよね』 「そうですね。その方が気が楽ですよね。教えてくださってありがとうございます」 さっぱり楽になった気分ではなかったけれど、何か言わなければと思い、先輩に調子を合わせた。 『彼ってすごいわね! 秘書になれてほんと光栄よ。でも切れ者だから、怖い男でもあるわね。例の元恋人のこともあるし、優しくされても油断しちゃ駄目よ。カモフラージュかもしれないし。あ、夏目社長と直接コンタクトを取ってることは、彼は結衣ちゃんには知られたくないみたいだから、聞いてないふりをしてね』 先輩は急いでいたらしく、一気にまくしたてると、電話は切れた。 通話時間は五分にも満たなかっただろう。
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