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山に入ってはいけない日、というのがある。
毎年一回、年の瀬が近い時期のことだ。なぜ始まったのかも定かではないが、この日だけはどれだけ忙しかろうとも、山に関する仕事をする人は一斉に休みを取る。
その理由なのかはわからないが。小さい頃に家の祖母から、こんな話を聞いたのを覚えている。
年が変わる前には、山の神様がふもとへ降りていらっしゃる。もしうっかり行き会うと無礼を咎められて、神様の世界に連れていかれるんだよ――と。
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