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第2章 元ヤンと元王子
俺は三坂翔。
元金髪ヤンキー。今は黒に染め直している。
自分で言うのもなんだが、結構顔はいい方だと思う。
だが、モテない!
その理由…原因は、あの2人!
1人目は漫画に描いたようなイケメン男子で、数少ない友達の結城優吾。優吾はあまり人と関わらない性格で、俺と気があう。
そして、2人目は、相津ノア…様。一応、様、はつけておいた方が良さそうだ。(優吾の話を聞いていると)
ノア様…のお陰で、男女間が親密になりすぎて、恋愛をするという概念がなくなってしまっている!
ノア様も優吾とはジャンルが違う感じのイケメン、美男子だ。
男女間が親密になりすぎるとはいっても優吾はモテるし、ノア様もモテる。
まったく…この世界、不平等すぎる!
まあ、そんなことを考えながら、今日の授業も聞き流しているのだが。
俺の席は窓よりで、結構良席だと思う。
景色はとりわけ綺麗というわけでもない。この教室は正門側にあるので、入り組んだ住宅街が広がるっているのを見れるだけだ。
人の行動を上から観察ことは案外楽しいのだが。
今日もいつも通り、おなじみの人がこの道を通る…はずなのだが…。
明らかに怪しい人が一名。チラチラとこの学校の方を見ている。年は中年で、全身黒ずくめの男。今日は早く帰ろう、俺はそう思って黒板の方を向いた。すると…
「じゃあ、グループになって、この問題の解決策を考えて発表しろぉ~。」
やる気のない先生に言われて、皆がだらだらと机を動かす。
あ。
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