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「誠也の言い分はわかった。でも、先生の言うこともわかる」 「僕は悪くない」 「逃げたと言われたことに腹を立ててるんだろうけれど、そこはぐっと我慢しなきゃいけなかったんじゃない? 聞こえなかった証明はできないわけだから。誠也が先生だったとして、どう? その上あばれた。あばれたことで、聞いてない、逃げてない、がどっちでもよくなってしまった。先生は誠也をクラスの中で一番手のかかる子だと思ったとしてもしょうがないんだよ」  黙っている。裕子の話は彼の耳に入っているのだろうか。 「先生に明日、あやまりなさい」 「なんで?」
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