回想と現世

6/7
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
6人ほど居る頃合い  故にロシアねーちゃんはきっと今頃暇そうに閑散としたシマをブラブラしている事だろう この道で西日本一になった男だ 裏も表も知り尽くしている 息も絶え絶え 自転車もボロボロ (酷い主人で、すまんな) 薩摩武士の末裔が愛馬に語りかける なんの不思議があろう哉 緊張奔る 自動ドア 果たして意中の顔の綺麗な白面の美女はいるのか? 入ってすぐの鏡で身だしなみを整える 今日もいつもの紺色のトレンチコート だがマフラーが違う 黒とエメラルドグリーンを基調にしたチェックのストール 顔は老いたが品はいい 一路スロットコーナーへ 第1店員確認 男の正社員 想定内 問題は、あと一人の 店員 是?か 否か? 是! 茶髪に金髪のメッシュ やや外巻きに当てられたロングパーマ うしろすがたははっきり言って下品 スタイルはかごしま弁で言うところのよこばいのこじっくい 168cm52kgのspitz型(彼等はメンバー全員168cm)の 私のほうがスタイルはいい こんな女性の 一体何処が良いのか? それは一つ 顔 顔なのだ 彼女がコインカウンター斜め前 所定の位置についた時 私は文字通り必死の挨拶をした 「こんばんは」 「こんばんは~」 彼女は接客業に相応しい丁寧なお辞儀をくれた 息も切れ 冷静さを欠いていた私は 最後に言うつもりであった肝心
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!