第4章

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『俺が繋ぎたいからこのままでいて』 なんて言われたなんて恥ずかしくて言えないためそれなら迷子扱いされる方がいいのかもしれないがそれはそれで不服だ。 「とにかく無事に全員揃ったことだし最後の締めくくりといこうじゃないか!」 「締めくくり?」 「そう!こういった場所に来たからには必ずやることがあるんだよ。何かわかるか?」 呉羽先輩は1人ずつに目を配って問いかけるがあいにく私には思いつかない。 「はーい!」 「元気がいいね!華園くん!」 「お土産買うこと!」 「大正解だ!!というわけで早速お土産コーナーへ行こう!」 全員の意見を聞く前に呉羽先輩は我先にとお土産コーナーへ向かった。 華園と双子は乗り気らしくそれを見た空閑先輩と西崎はため息をこぼしながらその後に続いた。この状況についていけていない私は「そうなんですか?」と会長に聞いたが「理屈は分からないがそうらしい」と曖昧な返事をして、本村くんと一緒に呉羽先輩たちの後を追った。 「澪はお土産とか買わないのか」 「あまりこういったところに来たことがないのでその発想がなかったです」 確かに以前、会長のご好意でオリエンテーションがあった遊園地に入れてもらいそこでお土産を買ったが伽々里の時の騒動でそれもどこかにいってしまったし、お土産といっても何を買えばいいのかも分からない。 「別に買わなくてもいいのではないかって思ってしまって……」 「それなら俺はお前に買うからお前は俺に何か買ってくれ」 「……なぜ?」 「なぜって……お前からのものが欲しいから」 「し、仕方ないですね。そこまで言うなら……」
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