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プロローグ
好きだとか、愛してるだとか。他人が浮かれているのを見ても、なんとも思わなかった。勝手にすればいいと思った。
でも、自分には到底そんな気持ちは一生理解できないものなのだということもわかっていた。
だから、ずっと親友として側にいた根倉洸が男を好きになったときいたときも、付き合うことになったと報告を受けたときも。へぇ、くらいにしか思わなかった。
「今年も同じクラスだね。よろしく、沖村くん」
「・・・ああ」
三年に進級し、よりにもよってこいつと同じクラスになるとは。眞白輝。学校一のイケメンのモテ男で、洸の恋人。残念ながら、肝心の洸は別のクラスだ。
「残念だったな。別のクラスで」
「ほんとだよね。でも、体育は一緒だし」
「心配じゃないのか」
洸は人付き合いが苦手だ。なかなか友達を作れるタイプじゃない。勉強だって見てやらないと致命的なほどバカなのだ。まぁ、眞白が現れてからその役目はもっぱら眞白のものだったのだが。
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