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曽根村貴之の小さい頃の夢は、動画配信サイトの神になることだった。
とはいえ、本当に文字通りの”神”というわけではない。
人から羨望の眼差しで崇拝される神──のような存在。
それを金もコネもない貴之は、”一般人”からでも神になれるかもしれない動画配信サイトに見出したのだ。
しかし、そう思ったからと言って簡単になれるものではなく、二十歳を過ぎる頃には自分には金とコネ以外に、一番必要な”才能”すらないことを自覚し、いつしかその夢も子供の頃の戯言として区切りをつけようとした。
その時だった。
貴之の身に奇跡が訪れた。
それはまさしく奇跡の出会いだった。
その”噂の人物”は後々、『動画配信サイトの良心』と呼ばれるようになる。
貴之が出会った神。
一体、彼はどこの誰なのか?
その出会いは貴之自身が考えもしない、ある思わぬところに落ちていたのだ。
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