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「おい、晶! 仕事入ったぞ」
「………」
喫茶店で昼食後の休憩時──
震える電話を手に取ると健兄は唐突にそう言った。
「仕事って…もうしないよ。夏希ちゃんが煩いから」
断りながら、ちょっと口惜しい気もするけどしょうがない。
溜め息を吐きながら断るあたしを何故か健兄は笑い飛ばしていた。
「まあ、そう言わず、聖夜のことはこっちで何とかするから頼まれてくれ。今回もお前をご指名だから舞花に頼むわけにもいかん」
今回も?
あたしは健兄の言い回しにふと耳を止めた。
今回もってことはまたマリオか……
ピンときてあたしは尚更健兄に意見する。
「マリオからの仕事は一切断ってって言われてるから」
「誰がマリオだって言った?」
「え? 違った?」
あらやだ、勘違いが知れて何だか恥ずかしい。
そう思う矢先、電話の向こうで健兄はふっと笑う。
「まあ、あながちハズレてはいないがな」
「ハズレてはいない?」
「ああ、今度の仕事は前にストッキングのCMを受けただろ? あれだ」
ストッキング…
そう言われてみればそんな仕事をしたな?…
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