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3人はその様子を黙って見ていた。
やがて白くてうねうねしたものは,激しさを増してゆきボートの中に入って来るんじゃないかと思うほどギリギリまで迫ってきた。
「なんか……ヤバくね……。これ,ボートに入ってきたらどうする……?」
修一が心配そうにボートの周りを見ていた。
気が付くと,ボートが完全に白いうねうねしたものに囲まれていた。海面に浮かんでいるのではなく,白いうねうねに捕まっているような感じだった。
次の瞬間,修一がボートに入ってきそうになっていたうねうねを足で外に蹴り出した。
思った以上に弾力があるようで,修一は蹴ったときにかなりしっかりした感覚があったと言った。
敦と裕二もボートに入ってきそうな白いうねうねを足で蹴り出した。しかし,すぐに3人では追いつかないほど,白いうねうねが激しく流れるように動きながらボートの中に入ってきた。
「ヤバイ! こんなのが入ってきたらボートが沈む!」
3人は必死に白いうねうねを手と足を使って外に出した。
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