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「……教えない」 今日初めて本性を知ったニセ天然なんかに答えてやる義理なんかない。それに俺はやっぱりコイツが苦手だ。家にいるから素の状態を見せてくれているのかも知れないけど、こうやって見透かしたように微笑まれるとどうにも落ち着かない。うまく受け答えができなくなってしまう。 「そっか。じゃあさ、少し聞いていい?磯田はさ、学校で楽しく過ごしたいんだよね?」 聞いていい?とか言いながら俺の返事も待たずに富良野は話し続ける。簡単な質問に対して否定する理由もないからとりあえず素直に頷いてみる。 「まあ、そりゃあ……うん」 「友達と一緒に笑ってたいんだよね?」 「うん?まあ、はい」 「自分だけじゃなくて友達にも楽しんでもらいたいんだ」 「たぶん」 「友達にも笑ってて欲しいんでしょう?」 頷くと富良野はまたふわりと目を細めた。 なんだろ、コイツ何がしたいんだろう。 「でも最近気を使いすぎて疲れちゃってるよね」 急にズバリと言い当てられて思わず目を逸らす。やっぱりコイツ怖い。なんでわかるんだよ。まさか本当にエスパーか? 「磯田はさ、みんなのアイドルになりたくて頑張ってるんでしょう?」 「いや待て、やっぱお前エスパーじゃねーわ」 「うん?」
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