19 大作戦の裏事情(つづき)

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週明けから自宅に戻っている大祐から連絡がきたのは、火曜日の夜。 しかし、ちょっと素っ気ないくらいの短いメールで、金曜の夕食に食べたい物を尋ねられる。 だが真友子は、出来れば大祐の声が聞きたかった。 だから、夕食は大祐の好みでと答えると同時に、電話で話そうと誘ってみる。 しかしこの誘いに、大祐は首を振った。 『ごめん。今、まぁゆの声を聞いちゃうと、色んな意味で決心が 揺らいじゃいそうだから。金曜日まで声を聞くのは我慢したい。』 しかし、この返事は真友子の中の不安を大きく煽った。 どういう事? 揺らいじゃうような決心って、いったい何? だが、やっぱり今度も肝心の事は訊けないまま迎えた、金曜日。 待ち合わせは、横浜の日本大通り駅。 そして、そこで待っていた大祐の顔は、明らかな緊張を浮かべて 強張っていた。
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