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君の論理には穴がある
A「ん~~~~、やっぱここのホットドッグおいしっ!」
B「ほんとお前は美味そうに食べるよな」
A「うまそうじゃなくて、おいしいのっ! 今まで食べたホットドッグの中で一番おいしい!!」
B「あはは、そりゃそうだよ。今まさに食べてるんだから。記憶よりも現実のほうが鮮明だろ」
A「えっ! それは違うでしょ!」
B「え、何が?」
A「その論理だよ! 君の論理には穴がある!」
B「なんだよそれ。何がおかしいんだよ」
A「今、目の前にあるものが何でもかんでも、今まで出会ってきたものより素晴らしいなんておかしいよ! ありえない!!」
B「何怒ってんだよ……」
A「怒ってないよ! 怒ってないけど、さ、」
B「何?」
A「わたしはこの二年間、君より素敵な人に出会ったことはなかったよ」
B「あ……」
A「遠距離恋愛で全然会えなかったこの二年間、色んな人と出会って、色んな話をしたけど、やっぱり君と話がしたいなって。色んな面白いことも君と笑いたいなって。色んな美味しいものを食べたときも君に分けてあげたいなって、そんなことを考えてた」
B「……そっか」
A「そうそう! だからその論理は間違っているのです! これにて証明終了! Q.E.D.!!」
B「…………」
A「ほらほら~、なに暗い顔してるんだい? 反省中?」
B「うるさいな~」
A「あははっ、ほら、これ食べて元気出しなよっ」
B「むぐっ、……もぐもぐ」
A「ふふ、どう? おいしいでしょ」
B「世界で一番」
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