エピローグ

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 でもその後、佐々木の部下の木村清が投資に失敗して、相当額の負債を抱え込んだ。それを埋め合わせるために、木村は佐々木に内緒で、社員の年金基金に手をつけた。  私に説教されてから、私を憎むようになり、私の周囲を嗅ぎ回っていた田島邦彦は、この横領の事実を知り、ほくそ笑んだ。  佐々木は木村を叱責し、解雇した。  邦彦は横領の事実を闇に葬る代わりに、持株を邦彦に譲り、経営権を委ねることを要求してきた。  経営陣が犯罪者になって、私がスキャンダルに巻き込まれるのを救うために、佐々木とその部下たちは手荒な手段に出た。つまり、自分たちが泥を被ったのだ。
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