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「…俺とおんなじ場所、ヴァンパイア」 舌を這わせていたかと思えば、雪はそう言うや否やそこにいきなり歯を立てた。 「いっ、ぁ、…っい、ったい…!」 甘噛み、なんて可愛いものじゃない。 本気で皮膚を噛み千切る気なのかと思う程にギリギリと容赦なく力を加えてくる。 「っや、…っ痛い、痛いぃ…っ!」 その刺激に耐え切れなくて、大きな声を上げながら身を捩る。 満足した雪が顔を上げた頃には、噛まれた個所は蚯蚓腫れのように膨れ上がり、鮮血がじわじわと滲んでいた。 そこに外気が触れるたびにジリジリと焼けるような痛みが生じる。 「……っふ、うぅ…っ」 ボロボロと涙を流す私を見つめては、雪はその綺麗な瞳をふっと目を細める。 「…お前さ、俺の傍でそうやって一生不幸を味わってれば?」 そんな事を言った雪は「そしたらさぁ…」と続けながら、まるで悪戯が成功した子供のように無垢な笑みを浮かべる。 もうきっと、この時から決まっていた。 この男と人生が交差したその瞬間から、私が辿る末路は覆せない物だったんだ。
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