肆章 木霊の探し物

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 「……そうだね。僕たちは特別な力があるはずなのに、どうしてこう無力なんだろうね」  あまりにも寂しそうな声だった。どこか諦めを含んだ瞳が私を見つめる。  「あのね。麻ちゃんには、ここでゆっくりと心の傷を癒してほしかったんだ。突然不思議な力を持って、たくさん怖い思いをしただろうから」  三門さんが私の手にそっと自分の手を重ねた。重ねられた手に視線を落とす。  「だからもう、これ以上妖たちと深く関わらないで」  前に言われた時とは違う。三門さんの言葉からは強い意志が感じられた。  『三門さんのように、誰かを救うことができるだろうか』なんて思ったこともあったけれど、結局私は何もできなかった。
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