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「――ヤバい。イキそう……だっ」
熱く心地よい蠢動に誘われ、絶頂の時が近づいていた。圭志もまた、何度かの射精を伴わない絶頂を迎え、そろそろ体の中で渦巻いている熱が出口を求めて暴れ出しているのが分かった。
仁の動きに合わせて腰をグラインドさせ、自分のいい場所に硬い楔を押し当てる。腰の奥の方がジン……と甘く痺れ、痛みとも圧迫感とも違った曖昧な酩酊状態に陥っていく。
視界が霞む。それはもう眼鏡がないせいだとも涙のせいだとも言えなくなっていた。
「あっ、あっ……。仁……ダメ、俺も……で、ちゃ……う。また、イッちゃ……う」
「俺もイキそう……。圭志のココ……俺の精子で……抉じ開けて、あげる……からっ」
「はぁ、はぁ……っ。熱いの……欲しい……っ。でも……仁、ごめん。俺、お前の希望に応えられ……ない、かもっ」
「大丈夫! 俺の……精子、強いから。それより俺の愛の方が何倍も……強い――あぁ、イク、イク……イクッ!――っぐあぁぁぁっ」
「――っひぃ! あぁぁぁぁぁぁっ」
圭志の最奥で灼熱の楔が盛大に弾けた。閉ざされた入口を激しく叩きつけた奔流が渇いた大地に潤いを広げるようにジワリジワリと繊細な襞に浸み込んでいく。
下腹部にわずかな痛みと熱さを感じつつも、射精と共にブラックアウトした意識はなかなか戻っては来なかった。
背を弓なりに反らせたまま痙攣し、仁の長い射精が終わった時、その体は力なくシーツの海に沈んだ。
大量の精液を圭志の中に注ぎ込んだにもかかわらず、仁のペ|ニスは衰えることがなかった。
しっかりとした硬度を保ったままゆるゆると腰を動かし、残滓まですべてを中に注ぎ終えると、意識を失ったままの圭志からゆっくりと引き抜いた。
ぽっかりと開いた蕾から濃厚な白濁が圭志の腿を濡らした。
Ωの発情期は通常であれば一週間ほど続く。しかし、強力な抑制剤で押し留めていた発情を一気に解放した圭志がどうなってしまうのか誰も予想できなかった。
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