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内容はやはりすぐには信じられなかったが、複数の遺体の損壊具合から嘘ではないのだろうと考えた。
沖野口は萱野の話を聞き終えると病室を出て、再び燎と話した。
「そんな村があるなんて、とても信じられないが、どうやら本当の話のようですね。」
ようやく警察が動いてくれるようなので、燎は安心した。
「折田伊那子の身柄の確保は勿論ですが、伊比村の悪事を暴き、IBウィルスを封じ込める。これが私の最終的な要望です」
沖野口は恐れるどころかゾクゾクしてきた。
『あまりに大きな事件じゃないか。これが白日の下にさらされ、解決すれば、日本を救った功労者となれる』
むしろ自分の出世に利用できるまたとない事案となるだろう。
このチャンスを逃したくない沖野口は、すぐに警察上層部へ捜査の許可を貰うために直訴。衝撃の事実を知らされた警察は沖野口に捜査の指揮を指示。沖野口たちは、この事件解明に全力を尽くすこととなった。
沖野口と篠原は、警視庁の会議室で捜査方針について打ち合わせをした。
「まずは折田伊那子の確保だな」
「どこに潜伏しているんでしょうか? やっぱり伊比村ですかね」
篠原は地図を広げて眺めた。
「伊比村は小さすぎて載っていませんね。隣の真賀村が目印のようです」
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