第2章 ついにスタート!!萌えの塊、○○○!!

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体育祭とは、とても残酷なものだった。 「くそぅ・・・。何で借り物と一緒にゴールしないと失格になるんだよ・・・。俺ただ黒歴史作るために出たようなものじゃん!?」 「いや当たり前でしょー。だって借り物競争だよー?借り物なしでゴールするなんてただの競争じゃん。」 「う、ぐっ。」 葵の正論が俺のガラスハートを見事に打ち砕く。 もう俺ヒキニートになりたい・・・。 赤ジャージのくっそ頭いいイケメンニートになりたいよママー!! ちなみに俺は圧倒的嘘吐き少年推しである。 マジで夜咄全人類聞いて? 曲調といい歌詞といいPVといい最高ですから。 俺が二次元へと思考を飛ばしていれば・・・。 「ユ・キ?置いていくなんて酷くない?」 グラウンドに置いてきたはずの王子様ボイスが聞こえてきた。 今の俺に王子様ボイスは毒なので慌てて耳を塞ぐ。 後から説教されようが何されようが関係ない。 心の準備出来てないのでお願いだから近寄らないでください。 そんな思いが通じたのか、千歳は1つため息を溢した後、俺の頭をそっと撫でてから観客席に戻っていった。 「うっわぁ・・・。行動から滲み出る王子様オーラ。」 「やめてください何も言わないで。」 「・・・雪兎、もしかして。」 「アーモウソロソロショウシュウカカルナー。」 「誤魔化し方下手すぎない?」 「葵さん?俺が傷付かないとでも思ってます?」 「冗談だよー。・・・ま、頑張ってね?」 何だろう。 葵さんに完全にバレた気がしてならないんだけど、気のせいだよね?
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