第1話 転生したらドラゴンだった件

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第1話 転生したらドラゴンだった件

 暗い…何も見えない…。  目蓋は開いている感覚はあるが瞬きしてもどちらも暗いのには変わりがない。  身体は…動かないな…いや、身をよじる程度の事は辛うじてできるが、膝を抱えて丸まった状態から身体を伸ばす事は出来ない。  皮膚の感覚からして俺の身体の周りは何かとても固い、殻の様な物に覆われている気がする。 きっとその固い何かに閉じ込められているのだ。 しかし何故?  思考を整理するために改めて自分の事について考えてみよう。 まずは俺の名前だ…俺の名前…俺の…名前? おかしいな…自分の名前を思い出せない…記憶喪失? まさかそんな…ドラマやアニメの主人公じゃあるまいし、そうそう記憶喪失になんてなるか?  じゃあこういうのはどうだ…俺は何者かに頭を殴られて気絶し、身体を拘束されて何か固い容器に閉じ込められているんじゃ…。 でも誰が何の目的で?誘拐?いや、俺の家はそんなに裕福じゃないからそれは無いだろう。  あれ…そういう事は憶えてるんだな…少なくとも完全な記憶喪失という訳ではないらしい。  コツコツコツコツ…………。     
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