恋と教師と密かな独占欲

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「嫌なのか?」 「嫌じゃない……けど……」 「ふぅん……?」 (困ってるくせに) 何故そこまで俺はムキになったのか。抱えた感情はあまりにも幼稚で……。口に出すのも恥ずかしい位だ。 相変わらず困惑を浮かべることりは、俺をじっと見上げていた。 ――ここまでしても気付かないとは。なんとまあ、平和な。 無邪気で無自覚で、無垢。 彼女のそれは、近頃特に自分をかき乱す。 (大したもんだ。惚れ惚れするよ) では、そこに敬意を表して、堂々と対抗するとしますか。 「せんせい?」 「分かった。……じゃあ、実力行使で」 「? うわ!?」 ほのり色気を晒すうなじに噛みつく様に唇を密着させ、肌に赤いあざを残した。甘い香りが鼻腔をくすぐり、すぐに離れる事を引き留める。 誘いに抗う事無く、もう一度同じ場所へ重ねる赤。 唇を離すとそこには見事に、薔薇の花さながらに所有の証が残っていた。 これだけあからさまなキスマーク。まさか万人の目に晒す訳にはいかないだろう。 満たされた想いから自然と笑みが漏れてしまった。  
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