恋と教師と密かな独占欲

8/13
46人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ
この学校の男子生徒が、世の男全てが、その状態に欲情するとは限らないが、俺はすでに夏場の「うなじ」や「薄着」に興味津々な男(思春期真っ只中)を二人知っている……。 更に、ここにもう一人。 自分があの二人と同レベルで反応しているのは若干腑に落ちないのだが、致し方ないだろう……。 そのポニーテールが全部悪い! 「行くのは構わないが、その髪型をまず何とかしろ」 「は? なんで? 髪型?」 「……誘ってるとしか思えん。そのうなじとか」 無表情で言ってやったら、ことりの顔はそれまで以上に赤に染まる。「な、な、」と言葉が途切れて……。 “な”? 「何ソレっ!? そんな訳ないでしょ! どこ見てんの先生っ。変な事考えないでよ!」 「……だから。そういう自覚が無い所が駄目なんだろうが。見られてる事も少し位意識しとけ。じゃないと、隙だらけだぞ?」 「意識して“うなじ”見せる女子高生なんかいる訳ないじゃんっ。ただのヘアスタイルだよ、これは!」 掌を首に当て、ことりはしどろもどろ。 当然の反応か。暑さしのぎの髪型で男がそそられるとは、よもや思ってなどいないだろうから。  
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!