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途端に鳴り響く下校のチャイム。
夕日に染まる放課後の教室に伸びる影と、柔らかにほほ笑む彼。
「そろそろ帰るけぇ。また明日なー」
献立表片手に、通学用カバンを背負った彼は、手を振って去っていく。
翌月の献立表が配布される月の最後の週。
部活が休止される水曜日の放課後。
置いていかれた片割れの献立表には、彩られた緑色のラインたち。
揚げパン
ソフト麺
ソーダ寒
餡かけ堅焼きそば
白玉フルーツポンチ
カレーライス
アニマルチーズ
プリン
「…どれも好きなものばっかだよ、バーカ」
一番好きなのは、君との時間。
END
「ねぇ、それ、もう食べないの?」「あ、うん、量が多くて食べきれなくて…」
「じゃあ、俺が全部食べてやるよ」「え?」「これから食べられないのは先に言って。俺、給食の量だけじゃ足りないからさ」
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