第一部 死闘編  第十回 同盟解消

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②視察 為信は、安東愛季に北畠顕村を説得してもらいたいとの書状を送った。返信を読むと、領内を視察すると言って沼田面松斎に大浦城の留守居を任せ、堀越城・石川城・三ツ目内城に先触れを出す。 為信は、金信就他20騎の身辺警護を引き連れて大浦城を出発。堀越城・石川城を視察した後、三ツ目内城に到着。多田玄蕃の若衆に安東領内の様子を探らせる。 翌日、三ツ目内城を出発して津軽と出羽の国の境に近い国上寺へ向かう。国上寺は津軽三不動の一つに数えられる歴史ある寺。門前は、それなりに賑わう。 寺付近をぐるっと回って異常がないか確かめると10騎を街道の見張りに置いて、自らは残り10騎と馬駐めに向かう。いざという時は逃げる。その準備。 本堂は街道から少し登った所だが、馬駐め近くの塔頭を借りて、そこで待つ。 見張り「10騎の侍がこちらに向かって来ております。」 為信は馬駐めまで出迎える。来た。安東愛季だ。鋭い視線。惚れ惚れするほどの流し目。 為信「大浦為信にございます。」 愛季「安東愛季である。お待たせしましたかな?」 低めの落ち着いた声。 為信「そこの塔頭を用意致しました。内外お調べ下さい。」 愛季「ご配慮、痛み入る。」
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