#.23 エピローグ

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   ちゅんーーどこからか小鳥の(さえず)りが聞こえ、リンはその主を探すように顔を左へと向ける。すると、電線の上で(たむろ)い鳴く2羽の雀が目に留まり、その微笑ましさに思わず口元を緩ませた。  “つがい”だろうか。まるでじゃれあっているみたいな鳴き声と、ちょこちょこ動き回る姿がかつての自分と彼を想起させる。  よくよく見れば周りにも数羽の雀がおり、まるで取り囲むように電線に留まった様子からは仲間がいる楽しさが伝わってきて、心の内にじんと熱いものが湧き出す。  そのあふれ出る感情に、リンは思わず左手の薬指に嵌めたそれに触れて、自身の幸せを確かめるのだった。顔を上げると暖かな風が吹き抜け、カーテンレースと共に(つや)やかな髪が(なび)く。  その風に目を細めていると、玄関の方から階段を駆け上がりこちらに向かって来る賑やかな足音が複数、耳に届く。その足音は聞き慣れたもので、我先にと廊下を駆けて来る。  きっと学校から帰って来たのだろう。コンクリートを駆る足音がぴたりと止まると同時に、ドアノブが回され玄関が開く。 「ただいま!」  
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