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「んんーっ……」
カーテンの隙間から射し込む、清々しい朝日が、ガンガンと痛む私の頭を無理矢理目覚めさせる。
謎の倦怠感に、両腕を頭上に向かってうんと伸ばした。
これが気持ちいいんだ……。
「痛っ……」
拳の先にぶつかった何かが、ごそごそと蠢き振り向いた。
ペットは飼っていないし、同居人もいない。
じゃあ、この布団の膨らみは一体……?
さらりと流れた黒髪、上半身裸の男が微睡んだ目をこちらに向けるなり、真っ白な歯を覗かせ小さく笑った。
「……おはよ」
「えっ……?」
「今、何時……?」
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