第10章 I Feel for You(心中お察しします)

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 他人から見たら瑣末なことでも、心が傷ついたり、頭に血がのぼることはたくさんある。  人間は感情の動物だ。その感情と向き合うとき、一人がいいのかそれとも誰かと分かち合えたほうがいいのかは、時と場合による。  個々人抱えているあれやそれは、分かち合えば解決するというものでもなく、かと言って一人で抱え込むのも、問題をさらに深刻化させてしまう危険性をはらんでいる。 『……じつにやっかいな生き物だよな、人間て』  秋がしみじみそう想うのは、先日体験した望まない相手(VC)との遭遇と、そのことで乱された自身の感情と行動に由来する。しかし、それだけ(・・・・)に当てはまるものでは当然ない。もっと普遍的な意味を持っている。  自分自身、手酷い裏切りを経験した。若かったからダメージも大きかった。しばらく引きこもり生活を続けた。家族はあたたかく見守ってくれたが、焦燥にさいなまれた時期もあった。再起できずにそのまま終わる人間だっている。その意味では、ラッキーだったと言えるかもしれない。  訳のわからない神遣いに導かれ、キーマ(柊一)ンと再会を果たした。その柊一もまた、心に痛みを抱えていた。 『人生何が起こるか分からんもんだ……――我ながらジジむせぇな、俺 ^^;』
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