誰でもいいから死んでくれ 2019

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誰でもいいから死んでくれ 2019

 ウォーグレイヴ判事は幼少より生物を殺すことに快楽を感じる性質……あぁ、誰でもいいから殺したい。  私は推理小説作家だが、黒長智大の『青い水晶』って作品を盗作して干された。  それ以来、私は本を読むことにビクビクしていた。私はかつてはアイドルもしていたし?グラビアも出したことがあり、顔は知れ渡っている。  処女作『シャーロック・ホームレス』はバカ売れした。  今だって私の行動を誰かが見てるかも?まぁ、アガサ・クリスティだったら古い作品だから心配いらない。  本当は大沢在昌の『新宿鮫』が読みたいんだが?  どこかで殺人事件でも起きないかな?  リアルな事件なら題材に出来る。  相模原殺傷事件は実にミステリアスだった。ヘルパーが結束バンドで利用者たちを拘束して、19人も殺した。  結束バンドか?使えるな?  結束バンドで黒長を縛りつけて銃でバンバン!  東宿郷にあるアパートに戻って来て、BOOWYのアルバム『PSYCHO-PASS』を聴いた。ラジカセのスピーカーから『マリオネット』が流れ出す。  二荒山神社で休暇を楽しむ日向は、「3日間に3度も命が助かった」と話す七瀬という女性に出会う。別れたあと彼女が忘れていった帽子のつばにできた穴が狙撃によるものだと見抜いた日向は、4度も命を狙われ、なお迫る危機から七瀬を守るため、また、こともあろうに希代の名刑事の目前で殺人を犯そうとした、”不運な”犯人に対する決意を胸に彼女のアパートへ急行する。
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