Case.1 特殊作戦群A分遣隊

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Case.1 特殊作戦群A分遣隊

Case.1  「戦争はいつもどこかで起きている必要があるんだ、アンジェリク軍曹補。それが現実だ。適度な規模の紛争がないと、国際的な民間軍事会社は次々と倒産する。だから、戦争が自然発生する気配がなければ彼らは意図的につくりだす」  こんなオリエンテーションな訓話は軍の基準から逸脱している。俺が話している場所はとある民間軍事会社の社長が保有する屋敷の玄関先の庭の塀の裏手。相手は対岸の塀の裏にいる自分より若い部下だ。  この季節の日没後は気温設定がが摂氏三十五度以下に下がっているのはありがたいが、それでもまだ暑い。季節設定が雨季になると湿気もまとわりついてさらに暑く感じてしまう。バーバラ・アンジェリク軍曹補の白く滑らかな肌は汗と黄色い照明で光っている。彼女は二十時間前に一週間分の食料とともにヘリで到着した。     
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