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序章
私、島田弓子が子供の頃、昭和四十年代、東京の街の中は戦争だった。
とっくに太平洋戦争は終わったのに、何故、人はまた傷つけあって、戦をしたいのだろう。
テレビの画面から、火炎瓶を投げる極左活動家を見てそう思った。
オシャレで憧れの筈の銀座の街は、白や赤いヘルメットをかぶった人が1000人体制の合戦で、戦をする。
火炎瓶により、燃え上がる街の中。コンクリートの破片は飛び散る。いくら防御をしていても、ケガをする機動隊員。
しかし、機動隊員だって負けてはいない。放水し、捕まった活動家は多い。彼らの罪は重い。
一流大学の学生が始めた学生運動。そればかりに没頭し、勉強もせず……。
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