死ぬとき、人は

1/3
34人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ

死ぬとき、人は

僕らにとって、 ここは、一種のオアシスのような場所だった。 通学路から2ブロック分外れた、 線路沿いのひまわり畑。 親からも、先生からも干渉されない、 僕らだけの唯一の秘密基地(たまりば)。 『人って、死ぬときに、 一番大切な人に何か一つだけ恩返しが出来るらしいぜ』 幼馴染みのてっちゃんがそんなことを言い出したのも、 この一面山吹色の空の下でたむろしている時だった。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!