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「そうか!ダンスタイム終わるまでずっとティナと止まらずに踊れば…」
「もう、ダメですわエル様」
優雅にリードしつつも、ちょっとバカ王子のようなことを呟く婚約者にセレスティナは頬を染めながら窘めた
因みにこの舞踏会は貴族の若者全員が招待はされているものの、全員が参加するわけではない
当然といえば当然で、王城の舞踏会でも問題無い正装はどの家にも用意できるものでは無いからだ
サリーナは親の財力と友人達の厚意でドレスは問題なく用意できているが、アバズレの姿は会場に無かった
そこに安堵したエルグランドだった
なので愛おしい婚約者とゆっくりステップを踏みながら、会場を観察していく
「まあ!…ライオネル様も紳士になられたのですわね」
「少し前に調きょ…説得したからね。これでエリネーラ嬢も安心だろう」
少し離れた位置には、今にも抱き合ってキスをするのではないかといった雰囲気で情熱的に踊るライオネルとエリネーラの姿があった
元々単純、純粋で猪突猛進な性格のライオネルは現在すっかり婚約者馬鹿になってしまっている
その溺愛ぶりは王太子のセレスティナ嬢への溺愛と双璧をなすバカップルぶりだと場内や騎士団の中では実しやかに囁かれるほど
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