番長・バナナ

5/6
8人が本棚に入れています
本棚に追加
/311ページ
「そこの旦那!」 「一本木高校の番長さんとお見受け申す!」 4人の前に突如、上下紺色のブレザー制服のガタイの良いヤンキー二人組が そう言って立ちはだかった 4人は驚いたが、すぐに木(もくし)と翔次郎が大好と弥七郎の前に出てきた 「何だお前らは!?」 「天猪、先輩に何の用だ!?」 翔次郎は、大好の立場を隠す為に先輩と呼んだ 『得体の知れない奴に、天猪番長が番長だと認める様な事を言うのはリスクがあるからな…』 2人はそう言ってヤンキー二人組を睨むが 「邪魔するでないゴワ!」 「こちらは時間が無いでワス!」 と、ヤンキー二人組は反論してきた 大好は二人組の目を見てから、翔次郎と木に告げた 「翔次郎、木、大丈夫だ そいつ等、悪い用ではねえみたいだ 目を見りゃ分かる」 「そうすか?」 「まあ、そう言うなら」 翔次郎と木は後ろに下がり、大好は前に出た 「客人、あんた達の見受け通り 俺が一本木高校番長、天猪大好だ で、俺に何か用か?」 そう言うと不良二人組は 「「おー、あんた様が!」」 と、声を上げて跪いた 「突然の来訪、失礼しましたっす 自分(オイ)は、鹿児島県・栄嶺(えいれい)高校3学年生兵長 呉船島広(くれふね・しまひろ)と申す者っす」 「自分(ドン)は同じく栄嶺高校、2学年生兵長 山口出勇(やまぐち・いずお)と言う者っす」 二人組は自己紹介した 「そうか、鹿児島県の高校の呉船兵長と山口兵長か 通りで変わった喋り方な訳だ それでどうした?その感じだと俺と勝負をしにきたわけじゃ無さそうだな?」 「はい、実は天猪番長さん あなたに折り行って頼みが有るっす」 「頼み?」 「うちの番長である、坊之岬山敏(ぼうのみさき・やまとし)番長が、 あんたと腕比べする為に今東京に向かってるんですが うちの番長とはケンカをしないで欲しいっす!」 この頼みに、大好を含め、翔次郎と木と弥七郎は強く疑問を感じたが 大好は落ち着き払って言った 「事情を聞こうか?」 そう言うと、3学年生兵長と名乗った 呉船島広が口を開いた 「はい、ではオイの口から説明します 天猪番長、あんたの強さはオイらの暮らす鹿児島にも聞こえて来ていました それで、鹿児島県じゅうの高校番長が是非とも戦ってみたいとして 誰が戦いに行くかと、ついでに誰が鹿児島最強かを決める為 この前、相撲大会をやったんっす そしてその相撲大会で優勝したのが、オイらの学校の坊之岬番長でした」
/311ページ

最初のコメントを投稿しよう!