先輩でいられた side 海斗

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22時が過ぎ、田辺と中津が完全に飲んだくれてしまったからお開きにした。 2人をタクシーに乗せて運転手に足りるかわからないが5千円を渡し、走らせた。 咲花と2人になる。 咲花がいるからセーブして飲んでた俺と、一滴もお酒を飲んでない咲花。 咲花を送って行こうと思ったけど、送らせてくれない。 咲花ときちんと話したくて、半ば強引にBARに誘った。 BARで、咲花に色々話したかったけれど、話せなくて、無言の時間が流れた。 それに耐えきれなくなり、咲花が『持ち帰った仕事をしないといけない』と仕事を理由に帰る事を催促してくる。 「持ち帰ってまで仕事しなくていいだろ。こうやって咲花と2人きりになるの5年半ぶりだろ?冷たいな…。咲花に図面描いたりとか研究デザインについて等を教えたの、俺だよな。」 こんな事を言うつもりはなかった。 あまりに俺を避けたり一緒にいる事を拒む咲花の言動に傷ついていた。 咲花が俺に言われて、なにかを思い考えてる表情を浮かべた。 そして、咲花が言った。 「海斗、後輩と先輩の関係に戻ろうっか。まっ、元々、側にいたから流れで付き合ってただけだったから、恋人同士とはいえなかったのかもしれない。 海斗は、恋人以前に、わたしにとって恩師だから。そして、今は競合企業のライバルの建築デザイン設計士。 この話はおしまい、これで満足でしょ。 24時になるから電車なくなるし、帰ろう」
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