妖怪退治

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妖怪退治

 俺は宇都宮駅にやって来た。腹が痛くなり、トイレに入ると青い顔をした男が「青い紙はいりませんかぁ?」と近づいてきた。今日から東武警察署で働くことになった。  「いります」と答えた。すると、男が俺に飛びついてきて血を吸ってきた。  俺の血は毒が入っている男は死んでしまった。  トイレから出ると赤いバスがやって来た。乗ろうと思ったが姿を消した。  宇都宮ってやばいところじゃね?  朝礼ギリギリに刑事部屋に入った。  頭の薄い男は獄門刑事課長だ。面接のときに会った。 「岸谷、遅いぞ?」  獄門に睨みつけられた。 「すみません、腹が痛くなってトイレに行ってました」 「下痢か?正露丸でも飲むか?」 「大丈夫です」  刑事部屋の固定電話が鳴った。獄門が受話器を取る。 「はい、刑事課、何?殺しだと?」  俺は栗山幸太郎って先輩と東宿郷にある公園にやって来た。  男子トイレは血まみれだった。  俺は吐きそうになった。 「あんまり死体は見たことないのか?」  チンピラみたいな男が全身を鋭い刃物で刺されて死んでいた。 「栗さんは?」 「たくさん見てるからな?もう慣れっ子だ、いい匂いじゃないか?ホルモンみたいな匂いだな?」  俺は怪談を思い出した。トイレに入って用を足そうとすると「赤いマントが好きか?青いマントが好きか?」と質問される。赤が好きと答えると天井からナイフが降ってきて全身を刺されて死ぬ。青が好きと答えると全身の血を吸い取られて死亡する。  このチンピラは赤を選んだのだろう。  チンピラは写真を手にしていた。 「不気味なトンネルだな?」  栗山が言った。  チンピラの名前は園田浩正であることが判明した。  写真のほかにメモ帳がバックから出てきた。 『アー アーマリー アウトスタンディング』  英語だ。アーは罪を犯す、アーマリーは武器庫、アウトスタンディングは目立つ・重要・未払い・未解決などの意味がある。  園田は福岡県の天神出身だ。  俺と栗山は福岡に向かった。回転寿司屋に入った。生うにの軍艦、天然真鯛、焼き穴子などなど。 「玄界灘の海の幸、最高じゃん?」  栗山はガツガツ食ってる。  最近、日本の技術者が不足はじめている。人口が減り始めていることも影響している。財源も限られているし?各自治体は利用者が少ない施設を統廃合している。  俺は腹が痛くなりトイレに入った。壁に『ポーテント』と張り紙がされている。赤いマジックでデカデカと書かれてある。英語で凶事の前兆を意味する。  一体、何が起きようとしているんだ?  さらに、栗山は流れてくる皿にメモ用紙が乗っているのに気づいた。 『ボード』と赤いマジックで書かれてある。  板、掲示板、黒板、食卓、会議、委員会、船内などいろいろな意味があるが、俺は売春宿の女将ではないかと疑った。  bawd,board.    boredという線もある。うんざりするとか、退屈するという意味だ。    
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