プロローグ

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布施(ふせ)君。先、行ってきてよ」 「あ。すいません。じゃあ、休憩頂きます」  白髪頭のオーナーに頭を下げると、汗を拭いながら工房から外に出る。  澄みきった青空に向かって「んー」と、両手を大きく伸ばすと節々がポキポキと鳴った。 「……今日も、あちーな」  __ギラギラとした太陽。  __騒がしい蝉の声。 「今日も、また学校かー」 「怠いねー」  顔を上げると、目の前を母校の高校の制服を着た女子生徒達が通りすぎて行く。
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