三有谷の戦い

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三有谷の戦い

長立。飯母や部田が率いる銀羽東路軍が通り越す町。普段は農作業で作った品を交通人にもてなして、稼ぎを稼ぐ休憩町である。しかし、銀羽の進軍を聞きつけた民は洲番城へと避難していた。その町の広場に天坊衆、桜火らが集まっていた。しかし、そこには千年の姿は無かった。この前の喧嘩から天坊衆を脱退、廃屋に戻ってもいなく。みんな少しながら心配する。 「これから、出陣前に話しましたが、この長立で銀羽軍を迎え撃ちます。軍を率いるのは飯母や部田の逆臣です。数は1000とその他よりも少ないですが、我々は8人ほどと、その差は絶望的な状況ですが、この町を利用して我らは伏兵となり軍が横断中に、出現して混乱を起こして迎え撃ちます」 その後、それぞれの配置に就いた。漉と稟は西に、中央には魅影と鐘楼に白蓮、東に滝と正鷹、町の出口の北には俺。そして、入口で一番危険の南には桜火が潜んだ。長立の町は、南北を街道が通っており、中央部に町と連絡目印の鐘楼塔があり、東西に二手に人を分けて物流のスムーズと商店街をよく見て商人の不公平が無い為の町づくりになっていた。しかし、この作りは敵にも警戒されるために、飯母や部田などの下級家臣や集めた兵の混成軍に進軍させた。統率と力いう面では最悪だが、こういう場所にとってプラスになる能力を持っているからだ。それは「乱取」と呼ばれる行いだ。「乱取」は、稼ぎや自給の少ない農民からなる兵が襲った村や町から食料や物や女・子供を攫って、市場で売り払う行い。この行為は国人などからも罪にならない行いとして認可されて戦時の際に、指定区域を「乱取認定地」とするくらい。許されるのは、「褒美」に理由があった。戦争を引き起こす理由は、防衛か侵略。防衛は家や家族の安全として挙兵するが侵略は、主に土地不足や食糧不足の改善で侵略する。さらに戦争後には、褒美を上げなくては反乱を起こされる為に、「乱取」を許して農兵への褒美の食料や金を賄っているのだった。人身売買の価格は高く、褒美よりも稼ぎが良かった。その為に農業を辞めて浪賊となり、盗みや人攫いとなる人も。同時に綾などの強姦などからの捨て子も増加。 飯母の第一陣が、長立へと侵入。東路軍は武闘派の飯母を第一陣、頭脳派の部田を第二陣として、波状攻撃の態勢で進軍をしていた。飯母率いる混成部隊は民家や庄屋を次々と破壊、「乱取」が始まった。それから時間が経った頃に、部田率いる自軍と飯母の軍が、南門に待機した。 「よし、そろそろ頃合い!進軍じゃな」 部田が第二陣を進軍させようとした瞬間に、馬から部田の頭が落ちた。馬に跨っていた部田の体も糸が切れたように、倒れた。 「・・・部田様」 第二陣の兵が叫ぶなか、桜火が第二陣に突撃。兵を次々と斬り殺していった。第二陣は急襲により、部田を失い統制が取れずに混乱をして山に逃げ出す物や後に下がるもの、町へと侵入して行くものもおり、第一陣へと知らせていく。知らせを受けた第一陣は引き返して桜火を打ち取りに行く。それが我の攻撃の合図だった。鐘楼に隠れていた白蓮が飛び降り、第一陣後方を襲撃、混乱となっていり危険だったが俊敏を生かし西側の道へと斬りかかった。その後、東西に伏せた漉・稟・滝・正鷹が襲撃。町を出かかっていた飯母の前に綾が立ちふさがり、後ろを突くように、魔獣へと化けた魅影が襲う。 「小僧!これが桜火の策か」 「そんなことどうでもいい。俺はただ天覇の命令。それに侵略者で裏切り者の貴様らを斬るだけだ」 「浅いな小僧。余程に世の中を知らなすぎる」 「それに何か問題でもあるのだ?貴様らは言葉を使って人を騙しているだけだろう!そんな言葉に惑わされない」 綾は抜刀して、飛び跳ねて斬りかかる。飯母も対峙する。 「それが浅いというのだ!世の中の動きをみて自分の考えで判断をして動かねば、ただ力ある者に蹂躙されて騙されて死ぬだけだ」 叫び、綾を跳ね除ける。 「ここで俺を倒したとしても、世の中の流れは変わらない。天覇は銀羽に殺される。5000という大軍の前には、俺一人の命では収まらない。それが戦だ!」 飯母は馬から降りて、綾に斬りかかった。綾は刀を合わせ受け止める。何度も攻防を繰り広げる中、綾は千年の時に使った、かわし抜き回転で飯母の背後から斬りかかった。千年ほどの身軽さは無く右側を切り裂かれ、「ぐぅあああ」と飯母は膝をついた。 「(ながれ)」 「な、流?」 「攻撃にも隙間を流れる場所がある。体をスムーズに運びながら斬る技!これが貴様が馬鹿にした桜火から教わった技だ」 「・・・くそがぁ、これだから若いのは・・・」気を失って倒れる飯母。 綾は飯母に止めを刺さずに、町の中の方へと行きみんなと合流した。長立での戦いは終わっており、仲間たちにも死傷者も無く無事に済んだ。その頃両陣営本隊中央の北路では、激戦を繰り広げていた。2000人を前後750人、銀羽と米童の周りを500人が取り囲んで進軍していた。北路は唯一の山道であった。山道と言っても少し膨れ上がった土地と森に整備の行き届かない道。大軍を率いる銀羽は一列に行進して進むしかなかった。その為前軍が山を抜けるのを待ってから、本隊、後軍の順番に行軍した。その為館以外を動かなかった銀羽の足はこたえ、木々の少ない場所で休憩を行った。森の出入口を前後の軍で固め、東側は50人を間隔で配置し西側の方を中心に450人の本隊が固めた。西路に町が多いため襲撃に備えての配地。これが天覇を銀羽の所へ連れていってくれた。天覇らは綾たちと同じで天坊衆で訓練を積んできた。もちろんコッソリと背後から兵を殺すことも。東側の見張りを一人一人殺し、銀羽の幕を見えた瞬間に突撃をかけるも・・・。 「東側からか」隆武面で顔を隠した武者鎧、米童だった。米童は手に持っていた薙刀を持ち、兵を斬り殺し、天覇の首を切り落とした。 「これでこの戦も終わった。後は2つの軍と合流して小間荷城を開城して終わりじゃ」 そう言いながら、天覇の兜を外して、首を持ち帰ろうとした。しかし、兜を持ち上げた瞬間に顔が上を向いた。 「これは・・・水信。機動部隊の・・・誘導・・・ならやはり西か」 米童は、水信の首を銀羽のもとへ持ち帰った。 「殿、天覇の刺客を一人打倒しました。この者は天覇の側近の一人で、機動部隊を率いて敵を攪乱し本隊などの攻めを有効に運ぶ部隊です。この者が、東側にいることは西からの奇襲があるかもしれません」 米童と銀羽が話し合っている中、早馬が報告を叫んだ。 「西の山から天覇の旗と成丸の旗と複数の人影を目撃」 との、報告に本隊が西に寄せ集まり、前後の軍が西の山へと向かっていく。 「これで戦は終わりか?」 「もしあそこに天覇が居れば、小間荷城を落として終わり・・・」 米童は決めかねていた、先ほど見たいに影武者ではないかと。しかし、その後の報告から西の山に天覇の側近中の側近である源平兄弟の姿が報告があった。その後成丸と共に、後退したの報告に、米童は確信を持った。しかし、この確信は間違いだった。 西の山には、成丸隊25人と本隊源平兄弟と出綱の40人がいた。しかし、東側の吉継隊20人ともう一つの梶時隊の22人の中の1人と天覇が移り変わっていた。東側の兵を殺し梶時と天覇が突入した。悠然と自軍が敵を追い詰める様子に関心がいっていた銀羽の陣は、天覇らの突撃に大混乱。大軍の結束と順守による統率をしていた兵達も、本陣の中という安心から急襲に入り乱れて、銀羽を守るものはいなくなっていた。それは梶時を銀羽のもとへと案内をしてくれた。 「おいわしを守れ!米童!米・・・童」 「国人銀羽であるかな?」 梶時は銀羽の背中を槍で突き刺し、腰を落させた。それから梶時は銀羽の首を切り落とした。 その頃天覇は、米童と戦っていた。米童の左腕を切り落とし次に胴に3度突き、腰を落とさせた。 「主が天覇か?家族を殺し世の習いも、行わない破壊者が!」 「それだけか?なら死ね」 天覇は、首に向けていた剣を振り払って米童の首を切り落とした。 銀羽を打ち取った梶時は銀羽の首を槍で突き刺し掲げて、敵兵の見せつけて思いっきり叫んだ。 「国人銀羽の首、守人天覇が将梶時が、打ち取ったぞぉおおおおお!」 その一方を聞きつけた成丸と出綱は、西路で戦う重北と敵主力に告げた後、敵主力に突撃。報告を聞いた重北軍は激昂ともに勢いを上げ突撃。対する敵主力は、報告を信じる者と疑うもので入り乱れ統率がとれずに、混乱していた。そこに成丸と重北の突撃に軍は総崩れした。 天覇は敵が決死隊となり仇討ちを仕掛ける恐れがあるために、作戦に従い吉継や源平兄弟との合流地点に向かった。そこで天覇は敵との遭遇を避けるために、梶時は天覇と別行動で銀羽の首を持って洲番城へと向かい、勝利と援軍を呼びに向かった。合流地点に向かう天覇は敵との遭遇も無く、合流地点に向かうことができた。しかし、逆に一切これほどに遭遇がないのは不自然だった。合流地点に選んだ場所が、銀羽が陣を敷いている位置から南東に向かった位置にあるからだ。敢えて敵が来た方に合流地点を定めたのは、北側の位置にすると決死隊による襲撃の恐れがある。また東側だと、北側に侵攻した敵が敗走をする際に、偶然の合流がある。敗走中の兵は、考え道理に行動しないのが当たり前になっている。主人の命令で戦に参加してても、負け戦と知れば兵には命を捨ててまで従うことは無く、自分の命が大事になるため従来の考え方が通用しなくなる。その為天覇らは、合流地点を南東の位置に決めた。その場所は山の中に院が置かれている。昔に時の権力者がいろんなところにも、自分の像を置いて支配体制を充実させるために作ったが、現在その院の存在を知っているものは、定巖院の月定と地蔵の数人くらいしか知らことであったが、修行時代に耳に入れたことから、天覇はその場所を合流地点とした。 「天覇逃げろ」 走り込むように、合流地点に到着した天覇。しかし、そこで源平兄弟ら本隊が吉継や桜火らに斬り殺された瞬間だった。 「おい・・・何してんだよ・・・桜・・・火、吉継!」 「わりぃ天覇」 天覇は剣を握りしめ飛び出すも、付き添いの兵らが吉継の兵に矢で撃ち取られ、次々と倒れていく。桜火を斬りかかろうとする天覇。しかし、大人と子供のように、天覇の怒りと悲しみの剣はただ泣きわめく子供のように振り回されている剣だった。そんな戦い方をする天覇を見て、桜火は笑う。 「どうしたのです?それでは物を強請る子供ではないですか?何か欲しいのですか?」 「貴様が欲しい・・・貴様の命が・・・そして、吉継を斬る」 「そうですか・・・なら」 天覇の荒れ狂う剣に、自ら向かい剣に首を刎ねられる桜火。 「え、先生」 桜火が斬られたことにより慌てる吉継。小さい頃から家族に見放され、裏切りには容赦ない仕打ちを知っていた。現に弟の源五郎や母親の夫差の殺し方には、異常すぎる程。その天覇が自分に向かってくるのは恐ろしかったが、肩に刀を刺されて倒れ掛かる天覇。しかし、天覇を刺したのも驚きだった。首を切り落とされた桜火の胴体が突き刺していた。 「桜火・・・貴様・・・人間では無いな!」 「桜火様・・・・ひぇ、ば、バケモノ」 刀を抜き取り、桜火が異形の姿に恐れ逃げ去る兵を瞬殺。自分の首を拾い上げて元の位置に置くと、斬られた断面同士が合わさり急速な回復をした。瞳孔に光を取り戻し、目を回し首を回してから話した。 「どうやら君では私は殺せないようですね・・・」 「おい、人の話を無視するな」 「あ~そうでしたね・・・でも失礼だな。これまで一緒にいて修行を重ねた人に向かって、人間では無いなって。まぁあの辺の兵よりは、マシですが・・・人様をバケモノって・・・って傷つきます」 「話をはぐらかすな!うぬは一体何者なんだ」 「15までは私も普通の人でしたよ。しかし、ユルシア大陸に学識のための遠征中に、生死を彷徨う出来事が起きました。しかし、ある者から命を救われました。その代償・・・というより力を手に入れました。そして、私は私を救ってくれたものからコアの凄さに知って感動しました。そのコアにしたがうようになった。それだけです」 桜火が自分の話を語った同じ瞬間に、西の方を突然の大火が発生した。その場所では、全身鎧を纏った男が銀羽軍を焼き払っていた。 「弱いな、銀羽の主力ってのはよぉ?」 「ちょうどタイミングがいいですね。雅竹って知っていますか?この前あなた様と対峙して、火の海へと突き飛ばした二蔵の将です。あの後彼を救い出して、コアの施術を施しました。そしてあの者は炎を身に宿して生き返りました。そしてあの者もコアに忠誠を誓うしもべとなったのです」 桜火が語っていると、綾が斬りかかってきた。 「これは驚きです。まさかこんなところに君が来るとは・・・」 「それは俺も驚きです。長立を制圧後先生が見つからないから、山の方に続く死体を追っていったらこの方から兵の悲鳴が聞こえてきた」 「持ち場を離れるとは何ということですか?それにこの場所は軍議の真っ最中です。部外者が立ち入っていい場所ではありません」 「何芝居をなさっているのですか?コアの桜火?」 「・・・はぁ~ばれちゃいましたね!ただコアの桜火では無いですよ!コアのコードネームは、「モザイク」です!・・・吉継君、綾君をやりなさい!」 「は」 呼応すると、吉継は綾に斬りかかる。綾も応戦し吉継と戦う。 「辞めろ!吉継、仲間だろう!俺より天覇と共に過ごしてきただろう」 「あぁそうだよ!だがなぁ、それと同時にあいつと一緒にいて落ち着く日々は無かった。あいつの周りには仲間を思いやる人誰一人いない、それどころかゴミ扱い!もう嫌なんだよ」 「それだからって・・・」 「それに俺は王様になりたいのだよ!俺なら仲間を見捨てない、あいつなんかよりいい統治ができるんだよ!それなのに源平兄弟らは分かってくれなかった・・・だから、俺は殺した。お前もそうだ、俺の邪魔して!」 「さぁて、邪魔者いなくなりましたね!私モザイクは、この天生を神宮での営業拠点として、この地に戻ってきました。まずあなたたちを育て兵隊にしたら、御父上様の秀桃を殺して家督争いに。兄弟同士争って、国人銀羽を殺してあなたを殺したら完了って計画なのです」 「そのために吉継を担ぎ上げたわけか!」 「そうです」と言った瞬間に、吉継は綾に上段斬りを受けた。 「そんな考え方だったら、いい統治はできない。自分勝手の考え方では」 「うるさい!モザイク・・・俺にもコアの力を・・・」 桜火・・・いやモザイクに、手を伸ばし続けた。モザイクはただ眺めているだけで何もしない、それでも吉継は手を伸ばし、命尽きると同時に手を降ろしかけた瞬間、吉継の体が爆発した。 「吉継!!!」 「お前なんか、ただの傀儡なんだよ!」 体をマントに覆われている少年が、近づいてきた。肌や髪は白く目は大きく開ききって、頬に斑な赤い模様があるのが特徴だったが、その少年の風貌か秋餅の面影を感じ取れた。 「あ、秋餅?」 「ホント君には、驚かされます!何もかも計画が台無しに・・・」 「ごちゃごちゃ何言っているのだ?ラエル様だぁ!」 筒にへと変貌した左腕を綾たちに向けて、砲撃した。 「すみません。彼は「ラエル」人造魔導「BBベット」を施した秋餅なのですが、術後の後遺症で、人格変貌と以前の記憶喪失となっています。まぁ「BBベット」は生前に取り込み、死後に覚醒する魔導器なのですが、多分それが問題なのでしょう」 モザイクは俺たちが秋餅ことラエルとの戦闘中に語った。ラエルは右腕を刃に変形させ、襲い掛かる。距離をとっても砲に変形し、状況は不利になった。開戦から戦闘を繰り返しているため、疲労はピークを達しているため、足がもたれついてしまった。 「鬼ごっこは、そこまでだ!」 ラエルが砲を向けた瞬間、ラエルの後ろから騎馬武者が突撃してきた。綾が倒した飯母が白蓮たちの拘束から逃げ出したのだ。突如現れた飯母にラエルは驚き、馬の後ろ脚に蹴られて倒れた。 「お、おおいここは一体!桜火!貴様の首、この飯母が討ち取る」 下馬してモザイクに飛びかかる飯母。しかし、モザイクは一瞬に飯母を斬った。 「綾、倒した敵はちゃんと最後まで仕留めましょう」 「お前もなぁああああ!」 モザイクに斬られても、まだ死んでいない飯母は、下半身に飛びかかり寝技に押し倒した。飯母とモザイクがもみ合いしている中、綾は言った。 「今のうちに逃げるぞ!」 「何をほざけたことを、俺は逃げん!」 「今なら、モザイクも動けない。ラエルも死んだか気を失ってすぐには動けない。逃げるなら今だ!今逃げないと、俺らは殺される。奴らの目的は天生の乗っ取りだ!それだけは絶対に阻止する。その為にも今は生きていつかこの怒りを」 天覇は綾の考えに賛同し、飯母の乗ってきた馬に跨り、逃げる。 「はぁ~やってしまいました」 動かなくなった飯母を持ち上げて、逃げ去っていく彼らを見送った。ラエルも起き上がる。 「いいのかい?逃がしてしまうことになるぞ」 「いいのです!恐らく天坊衆の連中が見張っています。この飯母って男に、落葉の気配が感じられました。「落葉」は守霊の術に使われやすく、物を操る術として知られる技。そして、この飯母の感じから、綾に斬り殺された飯母を操り、我々にしむけた、そしてそれをやるのは恐らく地蔵かもしくは月定!・・・まぁいいですよ、これも楽しみ一旦君たちをコアに紹介しなくてはいけなかったし」 難を逃れた綾と天覇は、洲番城へと逃げ込んだ。綾は一目散に定巖院の秋餅の埋めた場所に向かうも、そこには人が掘り返したような跡があり、掘り返しても秋餅の遺体は無かった。一同同然のショックであったが、一番ショックだったのが稟だった。俺と稟はよく秋餅と話していたため、思い入れが多かった。その後天覇は、月定や地蔵に駆け寄った。モザイクの予想通りにあの飯母は地蔵が送った落葉だった。 その後天覇は小間荷城へと移り、戦勝祝いを行い国人へと天生の地に宣言した。それから、モザイクの屋敷をすべてくまなく調査し、ありとあらゆるものを調べつくし、モザイク、ラエル、雅竹を指名手配して三有谷の決戦は幕を閉じた。 それから半年後、廃屋組はそれぞれ旅に出ていくこととなった。千年の旅立ちから、決戦後にすぐ花冠が天覇のもとへと移ったのをきっかけに、自由人の白蓮が姿を消し、落ち込んでいた稟と二人の失踪から、旅立ちが自動的に決まった。しかし俺は、もう少し修行を使用としたが、地蔵もモザイクを仕留めるために旅立っていったために、すぐに旅立とうとしたが月定が修行を見てくれることとなり、半年後の旅立ちとなった。綾15歳。 「気を付けてね・・・桜火先生・・・モザイクいなくても、無事に帰ってきてね。みんな旅立ってから誰も帰ってこないから」 「わかっている。花冠、俺は帰ってくるよ!それに夫以外の人を心配してはいけないだろ」 「でも、私にとってはみんなも家族なんだから!それに天覇も、少し寂しがっていたから」 「わかったよ」 「気を付けて」 そうやってこれから、俺「綾」の旅が始まる。花冠には言われたが、ラエルとモザイクそして・・・ふたりの後ろにいる組織、コアについて・・・
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