銀鏡の花

15/66
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/59ページ
今日もバスを降り高校までの道を歩いて登校していた。 わたしは速足で歩き男子のグループを追い越す。 特に運動部に入っている訳ではないが体を動かすのは好きだ。 それでも、銀鏡の刀はズシリと重い。 しかし、銀鏡の刀は妖刀である。腰にさしていても誰も気が付かない。 わたしは複雑な気持ちで高校へと向かう。 ミヤビが昇降口の前の階段に座っている。 恰好は相変わらずこの学校の制服だ。 ミヤビいわく、霊体の体は普通の人にも見ることが出来るように調整がきくらしい。 「ハロー」 「朝から元気そうだな」 ミヤビはわたしと一緒にこの学校で学びたいと言い出す。女狐が何を考えているのか。 と、小バカにすると。 膨れて怒る。 そんな事をしていると朝のショートホームルームが始まる。 隣の席は男子だったはずなのにミヤビに代わっている。 ミヤビはあれでいて、かなりの高等な悪霊……ではなくて式神だそうだ。 ま、女狐には変わりがない。 そして、一限の数学の授業が始まる。 何事もなく授業が進み先生が黒板に問題を書くとミヤビを指名して解かせる。 黒板の前で「ありゃー解けなかった」と笑いを誘う。 次に指名されたのはわたしであった。わたしは数学のことが苦手であった。 それでもと、黒板の前で考えるが解けない。 授業は続くと、ミヤビがグッドと合図をする。 わたしはこんな事では揺るがないのにおせっかいな奴だ。 そう、これがわたしの新たな日常だ。
/59ページ

最初のコメントを投稿しよう!