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「そんなん…お互いさまだってぇの。」
「そうかい?それじゃありがたくいただくよ。」
「…だけど…うちにはお返しするものが何もなくて…」
おばあさんと保さんの間に立つ私は、二人の顔を交互に見ながら困惑していた。
「…けっ!…婆さんとこなんかにゃなんも期待なんかしちゃいねぇよ!…んじゃな!!」
「あっ!ありがとう保さん!!」
「ありがとねえ!」
籠を抱えたまま戸口を出て、そそくさと帰っていく彼を見送った。
家に入り薄っぺらい引き戸を閉める。
この戸は二日前に、やはり近所に住む大嶺昭三さんが直してくれたばかりだ。
それまでの戸板は野良犬が入れる位に隙間だらけだったし、建付けが悪く開け閉めする度に
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