プロローグ。黒くて赤いクラブ

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プロローグ。黒くて赤いクラブ

有名なスポーツ団体の不祥事連発によって、それまでのスポーツ指導の常識が問題視されている。 問題を起こしているのは、ほとんどがガチ勢の団体だから、三流テニススクールでほのぼのとラケットを振っている私には、ほぼほぼ関係ない。 最近、メディアとかで盛んに、 「今のままじゃダメだから、新しい風を取り入れよう!」 とか言い出す奴がフィーチャーされている。 うざい。 休日のお昼ごはん中の今も、親が見てるテレビ(今時テレビ見ながらごはんって…)で、スポーツ指導をテーマに討論している。 「やはり、理論的考察から方程式を組み立てるように新しいカリキュラムを生み出さないと!根性根性だと日本だけ世界に置いていかれますよ!科学的アプローチをしないと!」 「そもそも、勝利至上主義が問題なんですよ。ですから、そこから離れ、スポーツで勝つよりも、人生に勝つ!その為にスポーツを役立てるという方向性を目指してですね…」 「ぶっちゃけ、何が正しくて何が間違ってるかは、やってみないと解らない!手当たり次第に色々試せばいいんですよ!あ、もちろん、常識の範囲内でですけど…」 つまらん。 さっさと食べて、上行こ。 「ごちそうさま。」 あ、そっか。 今週から日曜も家庭教師くるんだった。 …。 今はまだ小2だからいいけど、上になったら全く人生の役に立たないことばっかりしなきゃいけないんでしょ? うざい。
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