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自分の捕食法と、護法石のこと。雲長さんに話したことを私の口からも説明する。
とはいえ、先に雲長さんからの説明があったおかげで驚かれずには済んだ。
まぁ、雲長さんの説明の時に一同固まったらしいが。
劉備「ところで、その精気とやらは常に食さねばならぬのか?」
桃香「うぅん、毎日は必要ないよ。ずっと鬼の姿になってたら必要あるけど、普段は人間の姿だから人間としての食事ができれば大丈夫」
趙雲「では、どのくらいの間絶食していられるのだ?」
桃香「長くてもひと月かな。姿は違っても、やっぱり身体は一つだから…極端に長くは保てないよ」
此処に来て、まだひと月は経過していない。
しかし、何度か鬼の姿に変わっている為長く保たなかった。
関羽「では、今日より約ひと月は…今までと変わらず過ごせるのだな?」
桃香「うん。雲長さんが精気をくれたおかげで、身体の調子も戻ったし。本当にありがとう」
雲長さんや玄徳さんは、優しく笑って頭を撫でる。
完璧子供扱いされているが、私にとっては嬉しかった。
劉備「桃香、これよりはその護法石とやらを常に見えるようにしておくのだ」
桃香「えっ?なんで?」
劉備「鬼の方の食事が必要になってくると、その石は濁るのだろう?お前の身体の不調を、我々もそれで知ることができる」
趙雲「またあのような状態になっては困るからな。その石を見れば、私達にも対処できるだろう」
そういうことか……。
関羽「少しでも濁りを見せたら、我々がお主に精気を与えよう。もう、耐えてはならぬぞ?」
桃香「…………うん」
張飛「俺達ゃいつだってくれてやるからよ?捕食の仕方はアレだが、俺達が体張ってやるよ」
桃香「ありがとう、翼徳さん」
趙雲「では桃香、今日よりまた厳しくいくぞ」
桃香「ドンと来い!」
……私は、何故こんなに理解を示してくれる人達に話さなかったのだろう?
いくら恥ずかしくても、せめて話してさえおけば……心配させることもなかった。
いや……、本当は嬉しかったんだ。
私を知りながら、心配してくれたのが。
今までずっと知ることのなかった『人』の温もり。
それは私に、更なる幸せをくれた。
ねぇ、母さん……?
母さんの願いが、叶ったよ。
人として……幸せを掴むこと。
今私は……
人として、幸せだよ……?
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