【登場人物紹介】

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【登場人物紹介】

■【レイ】 神に祝福された天使。幼子。「光」という意味の名前。 人々の願いを叶える白銀の翼を与えられているが、それ以外は普通の人間と変わらない。 外見年齢4歳〜6歳ほどの女の子。劣悪な環境にいたため、実年齢は不明。 立ち上がれば足元まである長い白銀髪。白雪のような肌。澄んだ氷碧の瞳。しかし、表情は非常にぼんやりとしていて、感情が殆ど現れない。 物心ついた時から石畳の冷たい地下牢、更に檻の中に入れられており、足を伸ばして眠ることもできない狭く小さな世界が全てだった。 両親の姿は見たことがない。顔も、知らない。 発見された際は、繊細な模様の施された薄いワンピース状の服を着用。 しかし、天使の象徴である白銀の翼は人間たちによって折られ、歩いて逃げることができないよう脚の腱は切られ。 首に付けられた無骨な鉄の枷は、羽根の力で万が一にも逃げられぬよう、幾重にも呪いがかけられており、枷に触れている場所は常に赤く爛れている。 年齢に見合わない大人しさは、彼女を監禁していた人間たちによるもの。 泣くな、騒ぐな、抵抗するなと強制され、心が壊れかかっているため、反応が薄い。 王国の神官は神の言葉により彼女が誕生していることを知っていたが、産まれてすぐに欲深い者たちに隠され、妨害されており、つい最近まで居場所を掴めなかった。 神官の指示で来た騎士長に助け出され、以降は彼と共に生活する。 騎士長にはひたすら慈しまれ、溺愛され、護られるので──長い時ののち、彼のそばなら安心して、何にも心を縛られず眠れるようになる。 ■【アーネスト・レインワース(愛称・アス)】 今回の天使が産まれ、そして傷つけられた王国の騎士長。 現在、自国からも他国からも「最強の騎士」と名高いが、本人はもう引退したい。次の世代を育ててのんびりしたいと思っている。 後先考えない前騎士長がその場の勢いで連れてきた孤児で、ファミリーネームは彼のものを頂いているが、無事、彼の後を継ぐほど立派な騎士に成長した。 騎士になるまではなかなか厳しく、時に人に言えないこともする生活を強いられてきたが、……この物語は彼と天使のやさしい日常のお話なので、そちらはまた、別の物語にて。 神の意志を聴いた神官の言葉により、天使の誕生は知っていた。 神殿から動くことのできない神官の代わりに彼女をずっと探してきたわけだが、今はようやく天使を見つけ出せた安堵と、彼女の受けた傷、強いられた生活の劣悪さに毎日ゴリィッと精神を削られる日々。 天使を囲っていた屋敷は彼女を救出後、衝動のまま破壊。 屋敷に集っていた人間たちはただの一人も逃すことなく捕らえ、「神に祝福を受け、慈愛の心と共に人々にその祝福を分け与える天使を監禁・彼女の命と呼べる羽根を彼女の意志と関係なく奪い取った罪」として、生涯外に出ることがないよう、王国でも最も忌み嫌われる牢獄にぶち込んだ。 彼らはもう二度と空を見れないでしょう。 年齢は20代後半。背中よりやや下辺りまでの長さの黒髪を結い紐で一つにまとめており、翠に縁取られた金に近い瞳は常に柔らかく細められている。 一般人たちからすると騎士とは些か近寄り難い存在だが、彼の柔らかな微笑は人々の苦手意識を取り除くのに一役買っている。 王国の人間たちからも、騎士たちからも慕われている。人柄に加え、肩書きに恥じぬ強さを持った男。 しかし部下が相手でも、町に住む一般人相手でも、騎士長の肩書きを無視して誰に対しても柔らかな丁寧語を使い、性格も穏やか。 ようやく会うことができた天使を溺愛する。 彼女が安心して暮らせるよう、護って、心から愛して、寄り添って生きていく。 つらい思いをして生きてきた者は、誰にしろ幸せになる権利があります。 彼女が生きてきた中で、痛みばかり与えられた分。笑顔を奪われた分。あの暗い地下牢で、孤独の中に置かれてきた分。 ──私が、彼女を幸せにすると誓います。
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