番外編2 英探偵事務所の平和なひととき

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「これは、私ですか?」 「そうですよ。我ながら、力作!」  すると、オウルはすぐさま蛍の左肩に移動し、嘴で蛍の頬を何度もちょんちょんとつつく。 「嬉しいです!」 「よかったです。気に入らなかったらどうしようかと思いましたが」 「蛍の目に、私はあんな風に映っているのですね」 「そうですよ。めちゃくちゃ可愛いでしょ?」 「はい!」  何となく視線を感じ、そちらに目を遣る。そして、蛍は大きく溜息をついた。 「慧さ~ん、いじけないでくださいよ!」  慧が膝を抱え、ソファに転がっていた。 「いいんだいいんだ、フクちゃんばっかり可愛がってもらって、僕は一人ぼっち……」 「あの……慧さん? 慧さんって大人ですよね?」 「大人だけど、大人だって仲間はずれは寂しいじゃん!」  1mmたりとも仲間はずれなどした覚えはないのだが。 「しょうがない……。わかりました! じゃあ、慧さんも描きますね」 「え、ホント!?」  慧がガバッと起き上がる。そして、満面の笑みで蛍の手元を覗き込んでくる。
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