『空を飛ぶ歓び』編

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「え?」 「いや、え?じゃねぇだろ。推薦がどうとか話してたことあったろ」 「あー、してましたね。一応考えてますよ」 「どこ受けるんだ?」 「緑丘学院大学とか」 「あー、あそこか」 「そこの法学部がちょうどAO入試やってるんです」 「えーおー?」 「要は推薦入試みたいなものです」 「そんなのあるのか」 「いろいろ方式があるんですよ」 「俺には分からん」 「じゃあ、俺帰りますね」 「おう、引き留めてすまんな。もう夏前なんだから考え固めとけよ」  家に帰って、勇治は合鍵で入ってくつろいでいる夏樹に水島との話を話した。 「って感じでさぁ、水島さんにいわれたんだよね」 「そうだったんだ。私もそこ受けようとしてるよ」 「へ?」 「勇治、学部は?」 「何も考えてないけど、興味あるのは法学部かな」 「私は文学部。やるとしたら英語かな」 「ほーん」 「興味なさそうね。勇治は法学部で何をしたいの?」
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